一般社団法人モノジェニックの会

単一遺伝子による糖尿病(MODY,ミトコンドリア糖尿病,インスリン受容体異常症A型,Wolfram症候群など)の患者さん,そのご家族の方のための友の会です。

モノジェニックの会の紹介

モノジェニックの会 は,単一遺伝子による糖尿病(MODY,ミトコンドリア糖尿病,インスリン受容体異常症A型,Wolfram症候群など)の患者さん,そのご家族の方のための会員組織です.

友の会のメンバーを随時募集しています.

入会希望の患者様またはご家族様は入会フォーム までご連絡をお願いいたします.

2024年1月現在,
・MODY1 1名
・MODY2 2名
・MODY3 7名
・MODY5 4名
・MODY(病型不明) 2名
インスリン異常症 1名
ミトコンドリア糖尿病 1名

の方が在籍しております

近所で見つけた珍しいチューリップ<2022年4月12日撮影>


 「モノジェニックの会」のページにようこそ.

 モノジェニックの会 は,2021年11月14日に設立された患者会で,単一遺伝子による糖尿病(MODY,ミトコンドリア糖尿病,インスリン受容体異常症A型,Wolfram症候群など)の患者さん,そのご家族の方のための会員組織です.

 

モノジェニックの会の名前の由来

「モノジェニック」は、聞き慣れない言葉ですね。「どこが糖尿病と関係しているの?」と不思議に思われる方も多いかもしれませんので、ご説明いたします。

モノ(mono)は、「ひとつ」、を意味するギリシャ語から派生した英語です。

ジェニック(genic)は、(gene)+ (ic)からなります。gene はギリシャ語から派生した遺伝子を意味する英語で、ウィキペディアによると「世代、誕生、性などを意味する、遺伝の基本的なユニット」と書かれています。

ic は「~的」、という意味の形容詞接尾語ですので、「モノジェニック」の意味は、「一種類の遺伝子の」ということになります。

「モノジェニックの会」は、一種類の遺伝子による糖尿病の患者さんの会、という意味を込めて名付けました。

本来は、monogenic diabetes 「一種類の遺伝子によって生じる糖尿病」ですから、「モノジェニックダイアベーテスの会」が正しいのですが、長くなりすぎるので「モノジェニックの会」といたしました。

 

MODYとは

 MODYは若くして発症し,肥満を伴わず,内因性インスリンの分泌低下を認めることから,1型糖尿病と誤診されることが多い病気です.
 MODYの方は,糖尿病全体の1%から3%程度と推測されています(イギリスからの報告)が,十分に認知されていないことから正確な人数はわかっていません.

日本糖尿病学会の「単一遺伝子異常による糖尿病の成因、診断、治療に関する調査研究委員会」の推計では,我が国のMODY 患者数は少なくとも12,000人とされています.


 最近,アメリカのジョスリン糖尿病センターから興味深い報告がありました.1型糖尿病として50年以上インスリン治療を続けた1,019人について調べたところ,そのうちなんと7.9%の方にMODY遺伝子を含む1種類で糖尿病を発症する遺伝子に変化がみつかりました. J Clin Invest. 2019;129(8):3252-3263.   https://doi.org /10.1172/JCI127397

 

 診断は血液から採取したDNAで遺伝子解析を行うことですが, 2021年12月現在,残念ながら保険収載はされておらず自費での検査となり(実費で5万円前後),解析が可能な施設も限られている状況です.
 そのため診断されている患者数も少なく,1型・2型糖尿病の方の交流の場である患者会も存在していないような状況でした.

 

 私は糖尿病専門医でもあり糖尿病患者でもあります.10歳の頃から糖尿病と診断されましたが,1型・2型どちらでもないと言われながら育ってきました.
 同じような患者は少なく(というか会ったこともなく),孤独感のまま闘病しておりましたが,28歳のときに縁あって岩﨑先生に出会い,遺伝子解析をしていただきMODY3の診断になりました.MODYのため適切な治療を開始することができ,かつ,生活習慣による発症ではないことが証明され,肩の荷が降りたような気持ちを感じたのを覚えています.

 

 現在,遺伝子解析を用いた治療は急速に発達・発展を認めています.日本糖尿病学会において「単一遺伝子異常による糖尿病の成因、診断、治療に関する調査研究委員会」が発足され,活動が軌道に乗っています.

 平成28年度改訂の医学モデルコアカリキュラムで学修した医学生は2年後には現場で医師として活躍し始めます.今後,遺伝学的検査や遺伝子診断に伴う個別化医療は癌をはじめすべての診療科においてスタンダードになると思われます.

 

 そこで,今後MODYと診断される患者様も増加すると予想され,かつ,私含めこれまでMODYと診断されていた方々の交流の場をつくりたいと思い発足に至りました.

 入会希望の患者様またはご家族様は入会フォームにお願いいたします.また,医療従事者様から遺伝子検査に関するお問合せなども承っております.モノジェニックの会 質問フォームまでお願い致します.

 よろしくお願い申し上げます.

 

docs.google.com

 

患者会代表:田中 慧 (写真右) MODY3
東京都新宿区河田町8-1
東京女子医科大学 統合医科学研究所 大学院生(糖尿病・内分泌内科 医師)

指導医:岩崎直子 (写真左)
東京渋谷区渋谷2‐15‐1 渋谷クロスタワー20階
東京女子医科大学 成人医学センター 所長・教授

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